告死天使
冬休みのない冬。
予備校への行き帰りで垣間見る街は、クリスマス一色だった。

何か彼女にプレゼントしようか――そう考えがよぎるが、何を贈れば喜ばれるか分からない。

品定めに時間を使うなら、勉強した方がマシだと思い直す。

俺にとって、クリスマスは関係なかった。

もうプレゼントやケーキで喜ぶ歳ではないし、彼女のことを思うと、祝う気にはなれない。

勉強だけをして、年が暮れ、年が明けた。

ただ、年賀状だけは彼女に出した。
〈いい年にしよう 2001 21世紀!〉
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