告死天使
6月、俺は、奴に誘われて文化祭に出向いた。

本祭が終わったころ、打ち上げとOB会を兼ねて、部室に入った。

みんなが集まっていた。

彼女のために乾杯をし、彼女の好きだった歌を歌った。

ギター担当の「彼氏」の姿はなかった。

奴がかろうじて弾けるギターでコードを弾き、俺がベースで伴奏を重ねた。

俺の指は震えていた。
歌おうとしても、声にならなかった。
< 172 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop