告死天使
その秋と冬、その次の春と夏――

俺の頭の中から、「将来」の二文字は消えていた。

仕事は楽しかった。
友達もできた。
俺はただバイトして、稼いだ金で遊びまくった。

勉強してもどうにもならないんじゃないか、みたいな諦め。

必死でやっても届かなかった空虚感。

そして、彼女の…。

…逃げたかったんだ、と思う。
全ての辛いことから。

必死にやっても、どうにもならないかもしれないことから。
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