告死天使
…感情にまかせて言ってしまったことを、少し後悔した。

俺の目の前で、少女は不思議そうに首をかしげている。

そうだろう、訳が分かんないだろうな。

俺は、少女から体を逸らした。
左足を軸に、右のつま先を、屋上の縁へと向ける。

つま先の下、高速道路の向こう。
総合病院の白い建物を、俺は見下ろしていた。
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