告死天使
「…へぇ…先輩って物知りですね~。」

彼女の声が、ふいに頭の中に響いた。

たまたま披露したちょっとした雑学。
彼女の知らないことを、俺が知っていただけなのだが。

昔から、そうだったと気づく。

友達の代わりの遊び相手は、家にあったたくさんの本だった。

主には、兄貴のお下がり。

字が読めるようになるのは早かったから、内容が難しくてもとりあえず読んでいた。

その結果、小学校では、常に成績が良かった。

読み続けた本のおかげで、数年分の予習が終わっていたからだ。
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