告死天使
「彼女」

桜 ―2000年4月

7年前、4月。

高校はまだ、春休みだった。

新入生を迎える桜が満開になり、
コンクリートの校舎を彩っていた。

桜は、俺のためには咲かなかった。

芸術大学・音楽部…不合格。

…併願の私大もダメだったから、一浪決定だった。
その不名誉な報告のために、俺は母校を訪れていた。

元担任の先生とは用件だけを話して、俺はかつての部室へと向かった。
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