告死天使
太陽は、やがて、地平線に沈んでいた。

その残照が薄れ始めたころ、天使は、ふいに空を見上げた。

「――そろそろ行くわ、
 別の仕事があるから。」

そして、どこか悲しげな笑みを浮かべた。

誰かが、天に召される。

彼女の最期を、俺は思い出していた。
彼女にも、こんな天使が見えていたのだろうか。
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