告死天使
高校3年の夏休み。
志望を急に変えて芸大を受けようと決めたのは、この後輩のためだった。

「ため」っていうか…
…別に頼まれたわけじゃないんだけど。

軽音楽部員とは言え、俺は音楽にそう詳しいわけじゃなかった。

何かを感じる芸術的センスもさほどない。
演奏の良い悪いを判断する能力も。

ただ。

彼女の歌。

それが素晴らしいのは、俺にでも分かった。
< 22 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop