告死天使
文化祭を数日後に控え、いつもの部室で、俺は自分の楽器をチューニングしていた。

部活のバンドでは、ベースも3年目だった。

この楽器を選んだのに、深い理由はなかった。
昔、洋楽にハマっていた、歳の離れた兄貴のお下がり。

たまたま家にベースがあり、新入生歓迎会で見た軽音楽部がカッコ良かった。
それが、単純にして唯一の理由であり、入部の動機だった。
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