告死天使
「…きみは?
 もう何か考えてるの?」

ついに俺は、それを聞いてみた。
彼女の人生には、どんなシナリオがあるのだろう。
――それを知るのは、やはり、少し怖かった。

「私…う~ん…。」

俺を真似て、彼女も腕を組み、考える仕草をした。
困った表情が可愛らしい。

「できれば…芸大の音楽部かな。」

「おお~」、と、周囲から声が起こった。
俺の質問から、みんな聞き耳を立てて彼女の答えを待っていたのだ。
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