告死天使
「でも、私、人に教えるのは得意じゃないんですよ~。」

そう言って苦笑いする。

彼女が教師に向いているのかどうかは分からない。
けれど、それは心から望む道ではないのだろう。

彼女は、一人っ子だと聞いていた。

音楽のみならず、勉強もできる。
親の期待は、既に人に自慢できる兄貴のいる俺とは比べ物にならない。

一人っ子の割に、全然わがままじゃない彼女。

だから、親の望みには逆らえないのかもしれない。
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