告死天使
小さな噴水のある、石畳の中庭。
校舎に寄り添う木々の緑が、陽の光に眩しい。

木の葉を揺らし、噴水のしぶきを散らす風が、汗をかいた体に心地良かった。

ここに立つたびに思い出すのは、高校受験の合格発表で、自分の受験番号を探しにきた日のことだ。

体育館の壁に張り出されたたくさんの数字の中に、自分の番号があった。
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