告死天使
やがて。

プログラムの最後の曲が終わった。
後奏の余韻に、観客の拍手が重なる。

「――ありがとう!」

彼女は声を上げ、観客に一礼した。
顔を上げた彼女の、満面の笑顔。

俺は彼女を、そして観客の方を見た。

「アンコール!」
「アンコール!」

口々に声がかかり、拍手が高まった。
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