告死天使
昼からは、クラスの縁日で1時間の店番。

遅い昼飯としてパンをジュースで流し込み、すぐに2回目のステージの準備。

1回目ほどの緊張はなく、「最後の演奏」を俺なりに楽しむことができた。

アンコールの後で、彼女がバンドのメンバーを紹介していった。

一人ずつ手で示し、学年と楽器、名前の順に。

1年生…2年生…そして、俺たち……

「3年生、ベース、――。」

彼女に、初めてフルネームで名前を呼ばれた。
みんなそうだから当たり前だったが、少し気恥ずかしい、そして誇らしい気持ちになった。
< 60 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop