告死天使
文化祭の日の夜は、眠れなかった。

一晩中考えていた。

卒業までに、何か彼女に手渡せるものはないかと。

俺と彼女。

高校を出てしまえば、接点を持つことはなくなるかもしれない。
OB会があるにせよ、互いに参加できるとは限らない。

だから、その前に。

俺なりの精一杯の感謝を。

きみと一緒にバンドが組めて良かった、と。

言葉だけじゃなくて、何か、形に残るものが…。
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