告死天使

秋 ―1999年10月

そして秋。

高校生活最後のイベント、文化部発表会。

土曜の午後から行われるそれは、参加は自由だったが、俺は当然残った。

軽音楽部の発表を観たかったからだ。

放課後の体育館。

カーテンが閉め切られ、照明が落とされた薄暗い館内。

整然と並べられたパイプ椅子、その最前列のひとつに、俺は掛けていた。
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