告死天使
ライトに照らされ、そこだけが明るい舞台。

開演のアナウンスとともに緞帳が上がる。

舞台の中央に、新しい編成を組んだ軽音楽部の姿が現れた。

その中央には――ボーカルの、彼女。

俺は彼女の正面に座っていた。

観客席を見渡す彼女と、瞬間、目が合った。

彼女は、にこっと微笑み、こちらに小さく手を振った。

俺も膝の上で、軽く手を挙げて返した。

リードギターの部長が挨拶をし、演奏が始まる。
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