告死天使
少女――天使は、困った顔をした。

「…それは教えられない。」

答えを聞いた途端、怒りのような感情がこみ上げてきた。
思わず拳をつくる。
きっと顔にも出ていただろう。

だが、天使は悲しげに俺を見、あとの言葉を続けた。

「――本当は、私もよく知らないのよ。
 死神の仕事を詮索しない。
 それが私たち天使と、死神との契約。」

そう言って、天使は夕暮れの街を見渡した。

「天使に分かるのは、死を迎える人の居場所だけ。
 でも、例え何を知っていても、生きている人間にそれを教えてはならない。
 ――それが、私たちの掟。」
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