グリッタリング・グリーン
『どうすんの、そんなもの』
「お友達と一緒のところとか、見たことないので」
『別に面白くないと思うよ?』
不思議そうにしながらも、ちょっと待って、と言ってくれる。
少しの間のあとに、あるってさ、と返事が来た。
『よく一緒にやるカメラマンが、記録写真も撮ってくれてるんだ、生方のアドレス、教えていい?』
「もちろんです」
再び間。
やがて、携帯がフリーメールの受信を知らせた。
急いでベッドを降りて、テーブルの上のPCを開ける。
届いていたのは、何やら長いURLだった。
「可愛い!」
『可愛い?』
つい口をついて出た声に、葉さんが怪訝そうにする。
URLの先は、写真のギャラリーで。
葉さんが写っているものだけをソートした状態で送ってくれたらしく、画面のサムネイルは、大小さまざまの葉さんだらけ。
一番目を引いたのが、壁にもたれて眠りこんでいる葉さんのアップだ。
肝心の本人が、中身をまったく知らなかったらしく、はあっ? と素っ頓狂な声を出した。
『そんなの全然、記録写真じゃないじゃん、あの野郎』
「でも、すごくいいカットですよ」
他のも、記録写真と言えるかギリギリだけど、いい写真ばかりだ。
楽しそうに車を運転している葉さん、ホワイトボードを前に何かを説明している葉さん、脚立の上で作業している葉さん。
これ撮った人、相当葉さんを好きだなと思いながら眺めているうち、あれっと気がついた。
「葉さん、お友達って…」