グリッタリング・グリーン
知ってみれば、葉さんの行動で、おいと突っこみたくなる部分が、“アメリカ育ち”で全部説明がつきそうな気がしたんだけど。

さすがにアメリカの人に失礼かと思い、やめた。



「だからプロフィールにも書いてないんですね」

『だって言いたくないの、わかるだろ』

「でもびっくりするので、ちょっとは最初から、教えていただきたかったですよ」



写真を見る限り、お友達は全員外国人だ。

日本での交友関係すら知らない私にとって、これはもう、ショックと言ってもいいくらいの驚きだったの、わかりますか、葉さん。



『そういうもの?』

「そういうものです」



軽い笑い声が聞こえた。





『俺、生方のそういうとこ、好き』





頭が真っ白になってしまった。

私の沈黙を誤解したらしく、あ、と葉さんが言い添える。



『そこだけじゃないけどね?』



首をかしげる様子が、目に浮かぶ。

もう、どうしよう、この人。



「…どういうとこですか」

『こうしてくださいって、気持ちよく言ってくれるとこ』

「………」

『そういや俺が、好きって言ってないって怒ってたね』

「怒っていたわけでは」

『俺、生方が好きだよ』



このまま、呼吸がとまってしまうかと思った。



『なんかいつの間にか、すごい好き。そのうち、ちゃんと返事ちょうだい、急いでないけど、俺あんまり気が長くないから』

「…他の人を好きになっちゃうってことですか?」

『返事は? ってしつこく訊いちゃうってことだよ』



そんな自分の短気が嫌なのか、ため息をつく。

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