眠れる夜の星屑涙
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「おい、こんな時間じゃないか。お前、終電逃すぞ」
そう言われて時計を見れば0時半を過ぎている。
「うん」と気のない返事をすると、低いうなり声が響いた。
「朝まで一緒にいるのも悪くないけど、無理すんな」
「今やらなきゃ、間に合わないわ」
「明日の昼までに送ればなんとかなるだろ。徹夜で効率落とすよりも、家でちゃんと寝て明日の朝に集中したほうがいい」
「なによ、偉そうに」
「スケジュール管理も俺の仕事だからな」
「わ、私だって、ちゃんと自分で」
「はいはい、わかってるって。梨花は頑張ってるよ」
そう言って、彼は無理やり私の指を止めさせる。
「明日、待ってるから」
開いていた窓を次々と消していき、それから目を閉じる。
「おやすみ、梨花」
かすかにぬくもりを残し、彼はまた眠りに落ちた。
『眠れる夜に星屑涙』
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