・君が望むなら
君が望むなら
小さな事務所の窓際が、私の定位置だ。
今日も朝から、お茶汲みやコピー取りの連続。
あぁ。
同じ仕事の繰り返しは、正直つまらなくなっている。
けれど、これが私に与えられた仕事だから仕方がない。
「今日が終われば、明日は嬉しい休日だ」
ポツリと呟いた私に、上司が背後から声をかけてきた。
「コピーが済んだら、こっちの資料を修正しておいてくれ」
___何?! 資料の修正だって? それはグラフ作成? それとも文章作成?
秘かに私の心は弾む。
やっと私にもちゃんとした仕事が与えられた!
嬉しい。
私も戦力として認められたんだ!と。
しかし、私の期待は見事に裏切られた。
上司から手渡されたのは、大量に印刷された資料。
これは今日の会議で使うからと、昨日は残業をして私が一部ずつホチキス留めしたものだ。
「あの、これって」
訊ねた私に、上司は一番上の資料を手に取りパラパラとページをめくりながら言ったのだ。
「ほら。このページのココん所、数字が間違えてるんだ」
「……あれ、ホントだ」
上司が指さしている箇所に目をやると、ゼロが一つ足りない。
どうやら資料作成を任された新入社員君の入力ミス。
今日も朝から、お茶汲みやコピー取りの連続。
あぁ。
同じ仕事の繰り返しは、正直つまらなくなっている。
けれど、これが私に与えられた仕事だから仕方がない。
「今日が終われば、明日は嬉しい休日だ」
ポツリと呟いた私に、上司が背後から声をかけてきた。
「コピーが済んだら、こっちの資料を修正しておいてくれ」
___何?! 資料の修正だって? それはグラフ作成? それとも文章作成?
秘かに私の心は弾む。
やっと私にもちゃんとした仕事が与えられた!
嬉しい。
私も戦力として認められたんだ!と。
しかし、私の期待は見事に裏切られた。
上司から手渡されたのは、大量に印刷された資料。
これは今日の会議で使うからと、昨日は残業をして私が一部ずつホチキス留めしたものだ。
「あの、これって」
訊ねた私に、上司は一番上の資料を手に取りパラパラとページをめくりながら言ったのだ。
「ほら。このページのココん所、数字が間違えてるんだ」
「……あれ、ホントだ」
上司が指さしている箇所に目をやると、ゼロが一つ足りない。
どうやら資料作成を任された新入社員君の入力ミス。
< 1 / 4 >