僕を美味しく召し上がれ。
「ぶーぶー、里桜ちゃんはそのままで十分可愛いのに。たまの甘いものくらいいいじゃん」
無言のまま彼を少し睨みつけると拗ねられた。
しかもとても可愛らしく。こういう甘え上手なところ、嫌いじゃないよ私だって。
癒されるし、一緒にいるとドキドキするし、ときめいたりなんかも、もちろんしちゃう。
でも、私がこうしてダイエットを頑張っているのには深いわけがあって、それを誰よりも分かっていながら誘惑してくる彼が今はちょっぴり憎らしいのも、正直な気持ちだったりする。
「……なによ、誰のために痩せようとしてるか、あなただって分かってるじゃない。悪い人ね」
今度は私が拗ねる番だ。
クリスマスまであと3週間、そこに向けて必死に体重を落としているためにあまり構ってあげられていないのは、確かに私が悪かった。
だけど、これもそれも全てはあなたのため。
綺麗になって、心行くまであなたを堪能したいがためのことだって分かってほしい……。
「里桜ちゃん、そんなに僕が好きなの?」
「……うん」
顔を覗き込まれて思わず本音が零れてしまった。
うう、仕方ない、認めよう。
私はあなたに目がない。どうしようもなく体が疼いて仕方がないときもある、早朝だろうと真夜中だろうとあなたをいつも求めている。
もうほんとジャンキーかってくらい。ここまで惚れ込むなんて、自分で自分にビックリよ。