僕を美味しく召し上がれ。
でも、だからなの。
二ヶ月弱のダイエットに見事成功して、クリスマスの夜に心行くまであなたを食べたいの。
……そう、私って肉食なのよね。ケモノよ獣。
「でもさ里桜ちゃん、本当は今すぐにでも僕を食べちゃいたいんじゃない? さっきから僕を見つめっぱなしじゃない、無理も体に毒だよ」
「う、それを言われるとイタい……」
「あはは、もう素直になっちゃいなよー」
「でも……」
言葉を濁すも、彼に指摘されるまでもなく私はさっきから彼を熱く見つめっぱなしだ。
恥ずかしくなって目を逸らすけど、それとは反対に私の手はしっかり彼を捕まえて離そうとしないのだから、もう誤魔化しようもない。
理性と欲望のせめぎ合いだ。
「--ねえ里桜ちゃん、誰もいないよ?」
そんなときに彼が私の耳に唇を寄せ、吐息と共に甘く囁いてくるものだから、私のなけなしの理性はあっけなく欲望に飲み込まれてしまう。
それはもう、いけないと思えば思うほどに。
「……じゃあ、ちょっとだけ」
「ふふ、僕を美味しく召し上がれ」
唇を尖らせながら言えば、彼はこの二ヶ月弱の頑張りを全て受け入れてくれるような妖艶な微笑みをたたえ、おいで、と両腕を広げる。
そこに素直に飛び込んでいっちゃう私は、きっとこれからも彼に度々ダイエットを妨害されること間違いなしだろうと思う。--でも。