初心者オコトワリ!
「急ぎのものだけ先にお願い。」
「ああ、残りは明日か?」
「そうね。」
「俺としては、夜にやってもいいんだが。今日の夜は空いてるか?」
「空いてるけど、明日で間に合うわよ。」
「馬鹿だな。そんなの、お前と二人きりになりたい口実だろ?それくらい分かれよ。」
「冗談はやめて。」
「誰にも邪魔されたくないだけだ。」
「もう、いい加減にして。」
「ふっ、お前は相変わらずだな。…その案件、秘密事項だろ?なるべく人が少ない時にやった方がいい。」
「そういうこと?」
「ん、本気にしたか?すましてるくせに、かわいいのな、お前。」

長い付き合いゆえに、こんなやり取りも慣れたものだ。

黙々と彼と急ぎの仕事を進めていく。
彼は多少取っつきにくくはあるが、仕事振りに関しては文句の付けようもないくらい切れ味抜群だ。
ただ、彼と息を合わせられるようになるまでに、多少の時間がかかるだけだ。
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