いいじゃん、俺の彼女になれば。
「しないって言ってるでしょ。
しつこいなー」



あたしは眉間にシワを寄せて、ゆるふわ王子をグイッと両手で押した。



そのとたん……。



「あーあ。
な~んで俺には、手加減しないの?」



ゆるふわ王子は、唇を尖らせた。



「初めて会ったときから思ってたけど。
心愛ちゃんって、俺にだけは冷たいよね」



「……え?」



「今までニコニコ大人しく生きてきたなら……。
今だって、大人しくニコニコ笑っていればいいのにっ」
< 119 / 290 >

この作品をシェア

pagetop