いいじゃん、俺の彼女になれば。
女子たちが、口ぐちにぶーぶー言っている。



状況がよくわからないんだけど……。



カラオケに行くのに、どうしてあたしに聞く必要があるんだろ?



きょとんとドアの入り口に視線を向ける。



すると……。



とがめるような視線と、チクっととがった声が聞こえてきた。



声をひそめるそぶりは見せるくせに、あたしに聞かせたい意思がはっきり伝わってくる絶妙な音量。



「ねー、琉玖。
芦川さんがダメって言ったの?」
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