いいじゃん、俺の彼女になれば。
ぼんやりそのときのことを思い出しながら、見るともなしに、琉玖を眺める。



「だから、俺。
心愛ちゃんのこと……。
ずっと“天使ちゃん”って呼んでたんだよ。
あの日以来」



「えっ!?」



だから、あのとき……。



名前を教えてくれなきゃ天使ちゃんって呼ぶよって言ったの!?



「で、入学式で見かけて。
気になって……。
ずっと、心愛ちゃんのことを見てた」



「…………」
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