仮氏
コンビニに着いたはいいものの、着いたと彼に連絡するべきかどうしようか悩んだ。
とりあえず何か飲み物でも買っておこうかと思い入り口に向かうと、

「あ!莉音」

入り口から出てきた彼が私を呼んだ。

「ずいぶん早いね」

「ちょー車飛ばしたもん!こっちー」

と言って彼は車の方に私を促した。

「はい、これどっちがいい?」

彼が差し出したのは、ストレートティーとレモンティー。

「ありがとう…。」

私はレモンティーを受け取った。

「コーヒーは飲まなさそうだったから」

彼はそう言った。
私は、改めて会う彼のことを恥ずかしくてまっすぐ見ることができなかった。

「とりあえず場所も場所だから、テキトーにどっか行きまーす」

と彼は言って車を出した。
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