17cm
#2
それぞれの進路を決め出さないといけない9月私は進学する高校に悩んでいた。
優李はこの地域で1番賢い学校を受けるらしい。
中元は、どうなんだろう。
いや、ほんとは――
「おい。高井。
何ぼさっとしてんだよ。」
「花本じゃん。びっくりさせないでよ。」
たわいもない会話が繰り広げられる。
「美希。私、琉斗に振られた。」
私たちの話が止まった。
優李の話を聞く。
どうやら喧嘩してそのまま別れたらしい。
「しゃあねぇから、俺が慰めてやるよ。」
「べつに花本に慰められたって嬉しくないもん!」
あれ、どうしてちくちくするの。
私、中元が好きなはずなのに。
「おい、お前何ぼーっとしてんだよ。
長谷が失恋してんだぜ。」
「あーっ、そんな事言ったらもっと傷つく!」
優李、元気に振舞ってるけどほんとは元気じゃないよね。
笑顔の合間に時折見せるそのひきつりは手に取るようにわかるよ。
私も自分の気持ちに整理つけようかな。
放課後、中元の元へ歩み寄る。
「あのね――。」
結果なんて言うまでもない。
元々優李みたいに賢いわけでも可愛げがあるわけでもない。
性格だって曲がってるし、化粧に頼ってる。
「やめようかなー、化粧。」
「うん、俺そのほうがいいと思う。」
振り返るとそこには花本がいた。
「わりぃ、聞くつもりなかったんだけどな。」
「聞いてたんでしょ。
一緒よ。」
「だな。」
ふっと笑った君の横顔は何故か忘れられなかった。
中元なんてすぐに忘れられたのに。
それぞれの進路を決め出さないといけない9月私は進学する高校に悩んでいた。
優李はこの地域で1番賢い学校を受けるらしい。
中元は、どうなんだろう。
いや、ほんとは――
「おい。高井。
何ぼさっとしてんだよ。」
「花本じゃん。びっくりさせないでよ。」
たわいもない会話が繰り広げられる。
「美希。私、琉斗に振られた。」
私たちの話が止まった。
優李の話を聞く。
どうやら喧嘩してそのまま別れたらしい。
「しゃあねぇから、俺が慰めてやるよ。」
「べつに花本に慰められたって嬉しくないもん!」
あれ、どうしてちくちくするの。
私、中元が好きなはずなのに。
「おい、お前何ぼーっとしてんだよ。
長谷が失恋してんだぜ。」
「あーっ、そんな事言ったらもっと傷つく!」
優李、元気に振舞ってるけどほんとは元気じゃないよね。
笑顔の合間に時折見せるそのひきつりは手に取るようにわかるよ。
私も自分の気持ちに整理つけようかな。
放課後、中元の元へ歩み寄る。
「あのね――。」
結果なんて言うまでもない。
元々優李みたいに賢いわけでも可愛げがあるわけでもない。
性格だって曲がってるし、化粧に頼ってる。
「やめようかなー、化粧。」
「うん、俺そのほうがいいと思う。」
振り返るとそこには花本がいた。
「わりぃ、聞くつもりなかったんだけどな。」
「聞いてたんでしょ。
一緒よ。」
「だな。」
ふっと笑った君の横顔は何故か忘れられなかった。
中元なんてすぐに忘れられたのに。