見えない騎士たち【ぎじプリ】
見覚えがないであろう、ラッピングされた箱。――莉子の想いの結晶。
手に取った課長は、挟まれたカードに気づき、それを開いた。
莉子のメッセージに目を通すと、彼は即刻立ち上がる。
PCもプリ男も電源を入れっぱなしで、コートと財布だけを掴み、課長は走り出した。
ついさっき、部屋を出て行ったばかりの彼女を追いかけて――
『はぁ……』
俺は連日、夜中に練習していた技が、初めて成功したことに心から安堵した。
『よくやったな、デスク。本当に出来ると思ってなかった』
『バカ言うな、プリ男。――莉子のためなら、なんでも出来るさ』
『ふーん……そっか』
『そうだよ』
2人がどうなるのかは分からないけど。
どうか、かわいくてたまらない、あの笑顔が戻りますように。
俺とプリ男は、そう切に願った。