史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
うわぁ・・・・。


たしかにこんなところで泣き出す女もあんまり賢くはないと思うけど、普通この場は慰めるものじゃないのー!?


しかも、消耗品って・・・


「なんかすごい人いるね・・・」

「ねぇ・・・」

爽やか君と私は顔を見合わせた。

泣いていた彼女もさすがに今の発言には怒り心頭らしく、今度は感情のままに男をなじっていた。



「あのさ、瑠花ちゃん。二人で抜けない? ここゆっくり話す雰囲気でもなくなっちゃったしさ」

爽やか君にそう誘われた。

もしかして、気に入られたんだろうか。

たしかに修羅場カップルのせいで落ち着いて話せる空気ではなくなったのは事実だけど、私は別に爽やか君とじっくり会話したい訳でもない。


とりあえずトイレと言ってその場を離れることにした。
戻ってきたら香奈美に話しかけるフリして、さりげなく席を移動できないかな。



トイレに向かう途中で、例の彼女が男に
グラスの水をぶちまけて走って店を出て行くのが見えた。

後ろ姿だけだけど、スタイルの良い綺麗そうな人だった。



それにしても、

グラスの水をバシャーンなんて、一昔前のトレンディドラマみたい。

もしかしたら本当に何かの撮影だったのかな?


うん、そう言われた方がしっくりくるな。
< 12 / 72 >

この作品をシェア

pagetop