史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
「ベリーファムはいけそうだな。キャンディシュウは渋ってたから、他の候補をいくつかアポ取りしといて」

「了解です。 再来週あたりで調整してみます」


今日はほぼ一日中霧島さんと外回りで、4社と打ち合わせを済ませた。

最後の1社が予定外に長引いて、もう8時過ぎだ。

しかもここは横浜。 今から新宿にあるオフィスに戻ったら9時近くか。


「佐倉は会社戻るか?」

「そのつもりだったんですけど・・月曜に回そうかなぁと。 霧島さんはどうするんですか?」

霧島さんが戻るなら、私も戻らないとまずいかな・・。


「俺は今日は元から直帰予定。 こっからだと会社より家のが近いから」

ラッキ〜、これで遠慮なく帰れる。

「へー。霧島さん、このへんに住んでるんですか?」

「中目黒だよ。こっからだと電車1本だから遠くはないけど」

「はぁ、いいとこ住んでますね〜」

「前の職場が中目黒だったんだよ。
電車のある時間に帰れることなかったから、やむを得ずな」

会話が仕事から離れたところで森口さんの頼みを思い出す。

約束は聞くだけなんだから、断られても私に責任はないはずよね。


「あのー、霧島さん」

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