史上最悪!?な彼と溺甘オフィス

「いつ来てもモデルルームみたい」

白とブラウンで統一されたインテリア。テーブル、ベッド、テレビと最低限の家具しか置かれていない。

住む人の生活習慣も趣味嗜好も一切感じさせない部屋というのは、珍しいんじゃないだろうか。

私以外にもたくさんの女が出入りしてる筈だけど、女の気配は全く感じない。


もちろん、私の気配も残させない。



「ーーさてと、私も着替えて仕事行かなかきゃね」


ほんの少し前、

彼の背中を見送りながら、振り返って欲しい・・なんて頭の片隅でチラリと考えてしまったのは、きっと気のせいだ。


愛は求めない。

そう決めたのは、もう随分昔のこと。
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