史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
「佐倉。 来月のプレスリリースの準備どうなってる?」

メール処理に追われる私のところに課長がやってきた。
課長はフットワークが軽くフランクな人なので、部下に話があるときは自ら来てくれることが多い。


「はい、全テナントとうちの広報に確認してもらってるところです。修正が終わり次第、定例会議でご報告しますが、やっぱりウィザーの日本初出店を推していきたいと思ってます」

「そうだな。 ウィザーの出店が一番の目玉だし、それで進めてくれ」

「はい、また進捗はご報告します」


「うん。 佐倉と霧島はなかなか良いコンビだったな。今回の出店テナント、社内でもかなり好評なんだ。 リリース後はメディアからの問い合わせも増えると思うから頑張ろうな」

「ありがとうございます!!
オープンまで気を抜かずに頑張ります」


霧島さんと私の担当する夢見ヶ丘テラスは全ての出店テナントが決定し、いよいよ大詰めの時期を迎えていた。

小さなアクシデントは日々おきるものの、概ね順調。
現在は各社との契約締結とプレスリリース準備で目の回る忙しさだ。


「佐倉さん。 よかったら息抜きにランチ行きませんか?」

森口さんが控えめにそう誘ってくれた。

そういえば、最近ランチはコンビニおにぎりばっかりだったな。


「ありがとう。行こうかな! たまには美味しいもの食べてエネルギーチャージしなきゃね」
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