史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
「それはやっぱりアレですよね・・」

私は曖昧な笑みを浮かべる。

私の言葉を聞いた霧島さんはニヤリと、意地の悪そうな顔で笑った。

いつもの薄っぺらな爽やか笑顔より、こういう表情の方が霧島さんにはよく似合う。


「そう。佐倉は他の女の子達みたく二人で飲みに行きたいとかそういう面倒な事言わないから、やりやすい」


「ありがとうございます。 うっかり飲みに誘ったりしないように今後も気をつけますね」


「あぁ、よろしく」


霧島さんは美形だ。

美しいアーモンド形の瞳、すっきりとした鼻筋、薄い唇。

一つ一つのパーツが整っているうえに、それらが完璧なバランスで左右対称に配置されている。

霧島さんを初めて見た時、あまりにも整い過ぎていて、血が通わない彫刻のようだと感じたくらいだ。

背は180㎝近くあり、ほどよく筋肉質で、おまけに肌も綺麗。

その容姿に欠点は見当たらない。


もちろん今時の女子は外見がいいだけで
チヤホヤしたりしない。

より重要なのは仕事、ぶっちゃければ経済力だろう。


うちの会社は東証一部、お茶の間にCMも流れているので知名度もあり、一応大企業と呼べるランクだ。
実際、男性社員は合コンウケも良く嫁の貰い手には困っていないみたい。
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