史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
【番外編】ルールを破ったワケ
【身近な女には決して手を出さない】
これは、俺が10年近く守り続けてきたルールだった。
来るもの拒まずの遊び人、
女を傷つけるのが趣味の鬼畜、
ヤリ捨て上等の最低男。
ありとあらゆる称号を与えられてきたけど、実態はそこまで酷くない・・・と思ってる。
近場の女に手を出さないのは、別にヤリ捨てようと思ってるからじゃ無い。
どうせ続かないことがわかってるから。
一人の女と長くは付き合えないから、社内の女になんて絶対に手を出せない。
それなのに、あの日、いとも簡単にルールを破ってしまった。
佐倉 瑠花。
社内どころか、同じプロジェクトでコンビを組んでいる最も身近な女。
一番手を出したらマズイ相手だ。
最初から好きだったなんて、そんな見え透いた嘘は言わない。
それなりに綺麗だとは思ってたけど、別に好みじゃなかった。
いい子ちゃんのつまらない女、けど、ギャーギャー騒がないから仕事で組むには最適。
俺は彼女をそう評価していた。