嘘恋
「友利さーん!こっちです!」
潤太がこっちに向かって手を振っている。
「遅くなっちゃってごめんなさい。」
「俺が早く着きすぎたんですよ。あ、あのお店で予約とってますので、ご飯食べましょう。」
(ふーん。たっかいお店選んでる。親からお小遣いは割ともらってるみたいね。)
「何がいいですか?色々おいしいのあるんですよー」
そしてオーダーをし、料理がくるまで話をする。
「あの・・・そういえばなんて呼べばいいか聞いてなかった。
潤太くんって呼んでいい?たぶん私より年下、だよね?」
「俺25です。」
「あ、やっぱり私の方が年上。」
「あ、あの、失礼だと思いますけど聞いていいですか?」
「んー、来月で27。」
「来月お誕生日なんですね!何日ですか?」
「15日。」
「10月15日か・・・親父と一緒です!」
「ほんと?」
「はい。ちなみに今年で65です。65でもバリバリ働いてますよー。」
「そうなんだ。えっと・・・お仕事は?」
「警視庁の人です。」
「もしかして高橋健次郎さん?新聞で見たような・・・」
「よくわかりましたね!その人ですよ、俺の親父。」
「そうなんだ。すごいなぁ・・・」
「まぁ・・・そうですね。でも俺は親父みたくなりたくないんで。」
「ん?」
「いや、なんでもないです。あ、料理来ましたよ、食べましょう。」