七色の空
ﾁｬﾌﾟﾀｰ88
「はッぴぃエンド」
〜つづき３

16の少女はその歳に身篭った子供を産もうと考える。16才のシングルマザーになろうとしたのだ。
父親は援助交際相手のサラリーマン。単身赴任で大阪にしばらくの間身を置いていた、どこにでもいるサラリーマン。
少女は恋をした。お金目的の援助交際が恋になれば、そんなおめでたいことはない。
それまでの惨めな人生を自分自身で許せるように、皆今を生きようともがいている。いや、そういう人間を福生が好んで描いていたのだろう。
少女には両親がおらず、祖母と二人でほそぼそと暮らしている。祖母は少女の人生に干渉はしない。少女はこれまで全て自分で決断し、その決断を支えるように祖母の慎ましい愛情があった。少女が援助交際を始めたのは、少女の生い立ちに何か問題があったからではない。少女の人生は、誰かのせいで悪い方向に向かったりはしない。
人の人生は、誰かのせいで悪い方向に向かったりはしない。それは、全て自分の責任なのである。
そんなことを、福生は物語の中で描こうてしていた。
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表紙・目次

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