七色の空
チャプター25
「JEEP」
林檎のマンションの前に1台の軽トラがとまっている。助手席には福生が座り、煙草を吸っている。荷台のほうからドン、ドンと音がする。林檎が荷台に段ボールを積み込んでいるのだ。積み終わると、台車を転がしまたマンションへ戻ってゆく。林檎はマンションの入口で振り返り、林檎「あと一回で積み終わるからー」
福生「ゴメンね何の役にも立たなくて」
林檎は笑顔を浮かべるとマンションの中に入って行く。こんな時、福生に出来ることは、見張り役くらいのものだ。しかも、車を移動しなければならなくなれば、運転できない福生は林檎を呼ぶしかない。福生は免許でもとろうかと、ふと思うのである。
二人の乗った車は、街の景色を横目に流して走ってゆく。車内では、福生がカップラーメンをすすり、BGM♪、林檎のくわえ煙草、二人のくだらないお話あれこれ。
車は海を目指している。しばらくすると、海のかおりがしてきた。
車内では、昨日までのざわめきが笑いはじめた。
愛されていなかったのかも 不安ばかりの夜だった 陽は高くのぼった 二人はいま海を見に行くところだ
「JEEP」
林檎のマンションの前に1台の軽トラがとまっている。助手席には福生が座り、煙草を吸っている。荷台のほうからドン、ドンと音がする。林檎が荷台に段ボールを積み込んでいるのだ。積み終わると、台車を転がしまたマンションへ戻ってゆく。林檎はマンションの入口で振り返り、林檎「あと一回で積み終わるからー」
福生「ゴメンね何の役にも立たなくて」
林檎は笑顔を浮かべるとマンションの中に入って行く。こんな時、福生に出来ることは、見張り役くらいのものだ。しかも、車を移動しなければならなくなれば、運転できない福生は林檎を呼ぶしかない。福生は免許でもとろうかと、ふと思うのである。
二人の乗った車は、街の景色を横目に流して走ってゆく。車内では、福生がカップラーメンをすすり、BGM♪、林檎のくわえ煙草、二人のくだらないお話あれこれ。
車は海を目指している。しばらくすると、海のかおりがしてきた。
車内では、昨日までのざわめきが笑いはじめた。
愛されていなかったのかも 不安ばかりの夜だった 陽は高くのぼった 二人はいま海を見に行くところだ