BABY BLUE(短編)
ONE DAY
 翌日。いつものように、洗顔に気合いを入れる。違うのは、ポニーテールにした髪を淡いピンクのシュシュで結んでいること。ドキドキしながら、お母さん達が居る食卓に向かった。



「お、おはよう……」

「姉ちゃんおはよー……ってどうしたの!?」

「へっ?」

「お母さん!姉ちゃんがピンク付けてる!!」



 案の定騒ぎ出す弟に、お母さんは驚いていそうなのに、「あら、そう」と大してそれを露にしない返答をした。落ち着いているのか興味がないのか……自分に似ていると感じたら、少しゲンナリした。



「真澄、そんなに騒いだら真子に失礼よ。」

「だって変じゃん!何で突然!?」

「あ、あんたはうるさいのよ!友達にもらったから付けてみようかなぁって思ったの!!」



 真澄は、ふーん……と言いながらチラチラとあたしを見ている。その反応もさっきの言葉も、言わないけど凄く傷付く。



「……お母さんも変だと思う?」



 意気消沈しかけて尋ねると、お母さんは「変じゃないわよ。見慣れないけど似合ってると思うわ」と笑った。安心したあたしは、「ただ……」というお母さんの呟きを気にせず、ご飯などを終えて、幾分軽い足取りで学校へ向かった。
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