虹に願いを〜君に出会えてよかった〜
「元気は出た?」
「あ、うん、元気ないように見えた?」
「うーん、疲れてるみたい。大丈夫?」
「大丈夫!」
「ならいいけど。無理しちゃダメだからね!」
「大丈夫!」
「無理したらまた喘息ひどくなるよ。」
あ…忘れてた…。
この頃また息がしにくくなってるんだった。
小さい頃からひどかった喘息。
少し治まってたけど、この頃お父さんとお母さんの喧嘩が酷くなって喘息出てたんだった。
「うん、気をつける。」
「よろしい!」
希との話が終わって、視線の先に見えたのは一緒に登校してきたであろう麻由と晴。
これを見なくて済むように早く来たのに…
会話が聞こえてくる。
「晴、ありがとう!」
「おう。今日俺バイトだから。」
「わかった、がんばれ!」
「おう。じゃあな。」
麻由にそう言って晴はいなくなった。
キャ〜!とか、晴〜!とか廊下で女の子の黄色い声が聞こえる。
「希、流星!おはよう!」
「「おはよー!」」
「はぁ、疲れたー。」
「晴くんとラブラブ感増した?もー、幼なじみとかほんと憧れるんですけどー。」
「そう?でも晴がいてくれるおかげで色々助かる部分もあるし、自慢の幼なじみです!」
「付き合っちゃえば〜?絶対両想いでしょ!」
ズキッ…。
希と麻由の会話を私は横で何も言えずに聞いているだけ。
希もやっぱりそう思うよね。
私の出る幕なんてなしだよね。
「そうかな?!流星も応援してくれるって言ったし、がんばるよ!」
「うん!」
テスト前だから授業は嫌でもちゃんと受けてノートも真面目にとった。