虹に願いを〜君に出会えてよかった〜
久しぶりの家族らしい夕食だった。
こんな日がずっと続けばいいのに…
私たちはご飯を食べ終わって、片付けをし、ひと段落つくと、
「流星。ちょっといいかしら。」
お父さんとお母さんは真剣な顔をしていた。
私たちは向き合ってダイニングに座った。
空はお風呂に入っていていない。
「あのね、流星?お父さんとお母さん、離婚することになったの。」
「ごめんな、流星。」
お父さんとお母さんは申し訳なさそうに私に言った。
「うん…。」
「お父さんのせいでこんな事になってすまない。本当にすまない。」
私は視界がゆがんで、涙が一気に溢れ落ちた。
「私…もっとみんなで出かけたり、楽しいことしたり、家族で笑い合いたかった!喧嘩の声聞くだけで辛かったし、家にいたくないって思うこともたくさんあった!お父さん最低だよ!お母さんのこと泣かして、家族バラバラにして!お父さんのこと大好きだったのに…。」
「すまない…。最低だよな。
子供にまでこんな思いさせてしまって。」
「でも…私はお父さんのこと嫌いになれない。男としては大っ嫌い!だけど…お父さんとしては大好きだから…。」
「流星…。ごめんな…。ありがとう。」
お父さん…。
お父さんの涙、初めて見た。
「流星、お父さんな、来月から3年間転勤でニューヨークに行く事になったんだ。それに合わせて、別れることになる。俺はこの家を出て行くことになるが、心配はいらない。」