君と恋の歌

溢れる涙を止めようともせずに、しばらくそうしていたら、終わったはずの手紙に二枚目があることに気づいた。


一枚目を下にして、二枚目の手紙をみると、そこには少し小さな字で文字が書かれていた。


“あの日の約束を覚えていますか?

私は必ずあの場所で待っています”



遠慮がちにも見えるその文字は、空の確かな意思を示していた。


「あの日…」


ふと、今年の始めの日を思い出した。

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