君と恋の歌
「きこうか?」
「…空、結婚するんだって」
すぐにそう言うけれど、ハルさんは驚きもせずに俺を見た。
「そうか…」
「知ってたんですか?」
ハルさんは首を横にふったけれど、本当はどうなのかわからない。
だって、付き合いは俺より長いだろうし。
「でもさ、空太に会いに来るって書いてあったんでしょ?なら、それまではちゃんと待ったらいいんじゃない?」
「結婚するのに、わざわざ来ないよ」
半ば諦めながら、作り笑いをする。