君と恋の歌
「いらっしゃいませ」
みんながそれぞれ帰ってから、俺は久しぶりにバーに向かった。
「空太…あれ?」
「なに、アキ」
俺を見て不思議そうにするアキに、俺の方が首をかたむける。
「会うんじゃなかっ」
「アキ!」
ハルさんが状況を飲み込めているようで、アキの言葉を止める。
「なに、どういうこと?」
なにもわからない俺は、ハルさんをじっと見た。
そして、ハルさんの言葉を聞いた瞬間、俺は立ち上がって走り出した。