君と恋の歌

「誕生日おめでとう…」


空の声が胸に染みる。

なにを言っていいかわからず、ただただ立ち尽くす。


そして俺は、空の存在を確かめるように空の手に自分の手を重ねた。


「空…俺、空が好きだよ」


今伝えないと。


そう思って言った俺の言葉に、空は少しの沈黙のあと口を開いた。


「…空も空太さんが好き」


俺の腰に回した空の腕が、少しキュッと強くなる。
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