君と恋の歌

全部話終えてから、空は大きく息を吐いた。

「青森はね、もう雪が降ったよ」


少し震える声で呟く。


空はどんな思いで、あれからの青森での日々をどんな思いで過ごしたんだろう。


俺は、いつも自分のことばかり考えて、空のことをちゃんと見ていなかった。


別れ際、さよならって言ったり、たまに寂しそうな顔をしたり…


サインならいくらでもあったはずだ。


それなのに俺は…
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