君と恋の歌

「空太さん、なにか欲しいものない?」


空がそんなことを言ったのは、ご飯を食べ終わってリビングでくつろいでいたときだった。


空と再会した日から、何回も空はこの質問をした。


誕生日プレゼントを用意できなかったから、どうしても渡したいらしい。


「ううん、なんにもない」


正直俺は、空がいてくれるだけで欲しいものなんてそんなにない。


そんな恥ずかしいこと、絶対に口では言わないんだけど。
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