君と恋の歌
「…」
耳元で聞こえるのは規則正しい寝息だけ。
家に送らなければいけない。
そう思いながらも、やっぱり家に入るのは抵抗があって、俺は空ちゃんの家に行く途中の道を曲がり、公園に向かった。
ベンチに空ちゃんを下ろして、俺も隣に座って膝に空ちゃんの頭をおく。
それとほぼ同時に空ちゃんが短い声を発して目を開く。
「ん……」
「あ、ごめん。起こした?」
慌てて聞くと、空ちゃんは状況が飲み込めてない様子。